アラフォー母の日々と子育て

関東で暮らし、働くアラフォーです。息子と読んだ本、日々のことを綴ります。

【子ども読書】ワニのライルとたんじょうパーティー/バーナード・ウェーバー

 

ワニのライルとたんじょうパーティー

作:バーナード・ウェーバー

訳:小杉 佐恵子

大日本図書

 

【あらすじ】

クロコダイルワニのライルは、プリムさん一家と暮らしています。

プリムさんの息子、ジョシュアくんのたんじょうパーティーが開かれることになりました。

パーティーのための準備を手伝っている間、ライルは「自分のたんじょうパーティーだったらな」と考えていました。羨む気持ちはどんどん強くなり、ついにジョシュアくんのたんじょうパーティーが妬ましく思えてしまいました。

たんじょうパーティーにたくさんの友達が来てくれても、ライルはどんどん不機嫌になり、ふくれっつらに!

ライルはその夜、ジョシュアくんのお気に入りのおもちゃの太鼓を壊してしまいます。誰もライルを責めませんでしたが、ライルは、本当にうっかりやってしまったことなのか?自問自答し始めます。

それからというもの、ライルはご飯を食べなくなり、ふさぎ込むようになりました。

ライルの様子を心配したプリムさんの奥さんが、様々なところに相談しましたが、手違いで、ライルは人間の病院に入院することに。

ライルは、病院の中で、入院患者のお世話をしたり、誰かの役に立つ行動をしました。病院で過ごしたことですっかり元気になり、ライルは退院できることになりました。

退院の日、それはライルがプリムさんの家族になって3年目の日。ライルのお祝いパーティーを開くために家族が待っていました。

 

【感想】

私が思う「ライルシリーズのおもしろさ」は、なんといってもタイトルと内容が合っていないシュールさです。

日本語に訳されるときにそうなってしまったのかとも考えたが、この本の原題は

「LYLE AND THE BIRTHDAY PARTY」。

だから、日本語訳に問題があるわけではなさそうです。

この本は全56ページですが、たんじょうパーティーのお話は、準備シーンも含めて、冒頭13ページまでで終わり。

その後は、ライルの自己嫌悪と体調不良、入院、回復、というお話が続くのです。

そのため、この絵本のタイトルのみを見て「お誕生日を迎える子どもに読んであげよう」と考えたら、非常にガッカリしてしまうでしょう。

ライルってこういうもんだと思って、タイトルに期待せず読むと、お話自体は面白いんです。

 

ライルって、非常に感情豊かなんです。

卵から生まれた生き物とは思えないくらい。

誕生パーティーに来た友達を見送るときの、腕くんで足くんで目つき悪くする態度なんて、思春期の中学生のようですよ。

その後、自分のやってしまったことにたいして自己嫌悪になり、落ち込みまくる不安定さも、ワニとは思えぬ。

 

ライルにはこういうシュールさも有りながら、なるほどと感心するような描写もあります。

この本では、ライルは自分のことを嫌いになりかけますが、病院で出会う人達に明るく親切に接することで、友達がたくさんでき、ライルは元気になります。

人間もワニのライルも、自分が誰かの役に立ったり、善い行いをすることで自分も救われる・・・ということなのかな、と思ったのです。

まさに、「情けは人のためならず」。

 

あと、人間同様の生活をしているライルですが、作中では人間語は話せません、念のため。

言葉での意思疎通ができないことによるトラブルというのは、おさるのジョージシリーズにも共通することですが、ライルもまさにそう。ライルの場合、ジョージとちがってすごくいろんなこと考えているのに、それを伝えられないのはもどかしかろう・・・。

ジョージが考えていることは「○○をやりたくなりました」だけだからな(笑)。

ライルは人間並に感情豊かなのに話せないことを考えると、言葉でコミュニケーション取れることのありがたさを実感します。

子育てしていても、子どもが言葉を習得した後の楽さったらないもんね。

絵本の読み聞かせも、言葉が通じているからこその楽しみが生まれるし、「ごはん何食べたい?」とか聞けちゃうもんね。

 

ライルシリーズの作者であるウェーバーさんはアメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア出身だそうで、ライルシリーズはアメリカ、イギリスのこども達に人気を博しているらしい。

アメリカ、イギリスでも、思春期の子どもはこれくらい不機嫌で態度悪いし、

情けは人のためではなくて自分のため、なのかな~。

 

息子は、ライルの超不機嫌な姿に大笑いしていました。

誰かが不機嫌になっている姿を俯瞰して見と笑えるっていうのは、同感よ。