アラフォー母の日々と子育て

関東で暮らし、働くアラフォーです。息子と読んだ本、日々のことを綴ります。

【こども読書】へっちゃらトーマス/パット・ハッチンス

f:id:qnatsu:20210817232048j:plain

 

タイトル:へっちゃらトーマス

文・絵:パット・ハッチンス

訳:小宮由

大日本図書

 

対象:小学校低学年~中学年向け(自分で読むなら)

※私の感覚です。

 

【あらすじ】

トーマス・ミードという字を覚えない男の子(小学校中~高学年くらいだろうか)がいた。

お母さんと先生は「字を覚えなさい」と何度も言うが、トーマスは「関係ないね」が口癖。

街の中には「きけん・ぺんきぬりさぎょうちゅう」「おす・ひく」「うえ・した」「おとこ・おんな」「つうこうきんし」「たちいりきんし」など、様々な文字が・・・。

字の読めないトーマスが街を歩くと、次々に大きなトラブルを起こしてしまう。

トーマスの「関係ないね」という言葉も、警察には通用しなかった!

逮捕され、牢屋に入れられたトーマス。

囚人達がトーマスに字を教えてくれたら、トーマスは・・・。

 

【感想】

息子は、トーマスが「おとこ・おんな」と読めずに女性用トイレに入っていって怒られるところと、トーマスがろうやに入れられるところでウケていたなぁ。

息子は「囚人」という言葉はまだ理解できないだろうし、「囚人=白黒の服を着ている」というイメージすらもっていないだろうから、そのへんはどう思ったんだろう。

日本で服役中の人は白黒の服着てないから、囚人=白黒服、というイメージは、今後も持たなくても良いけど(笑)。

 

先生や親にどんなに「字を覚えなさい」と言われても聞かなかったトーマスが、警察につかまって牢屋に入れられ、囚人に字を教えてもらい字を覚える・・・というのは、なんだか子どもに対する教育について考えさせられるね。

刑罰でしか更生させられない、みたいな。

トーマスに字を教えてくれる囚人が優しくて、読み聞かせながら「えー、やさし」とつぶやいちゃったよ!

 

作者のハッチンスさんは、イギリス出身、ニューヨークで創作活動をしている作家さん。

この本は小学生くらいの子向け(自分で読むなら)だと思うけど、作者のハッチンスさんはもっと小さい子向けの絵本もたくさん描いています。

息子は「ティッチ」シリーズもお気に入り。

 

 

読んだのはこの絵本 

 

2歳のとき息子はこちらの「トーマス」が大好きだったな~。

 

同じ作者の「ティッチ」も息子のお気に入り

 

 

 

【読書】アンジュと頭獅王/吉田修一

 

 

タイトル:アンジュと頭獅王

作者:吉田修一

装画:ヒグチユウコ

小学館

 

あの「安寿と厨子王」が令和の新宿に現れる!

子どものときに、童話「安寿と厨子王」を読んだきりだったのですが、

最近NHKラジオ「ENJOY SIMPLE ENGLISH」で森鴎外山椒大夫」の英語版をリスニング。

なんとなく童話をなつかしく思ったところに、こういう本が出ていると知り、読んでみた。

 

本書の最後には、このように書いてあった。

「本書は、「説経集」と「説経節 山椒大夫小栗判官他」を底本とし、口語調でオリジナルストーリーを加筆した書き下ろし小説です。」(抜粋)

つまり、原作は森鴎外山椒大夫ではなく、説経節の方なのね。説経節、知らないけれど。。

 

どこかのサイトでは「山椒大夫の現代版」とも書かれていたが、それは不正確だ。

この本は口語調ではあるものの、古文のような文体の口語調であるし(「のう、~殿」とか「あらいたわしや」とか)、あくまでも舞台は大昔。

金で人を売り買いしたり、子どもを奴隷のように扱い虐待することがまかり通った時代のお話だ。

オリジナルストーリーは含まれているものの、ストーリーの大きな筋は、私の知っている「山椒大夫」と変わらない。

山椒大夫と三郎は変わらず人でなしだし、アンジュは悲劇的な運命をたどる。

頭獅王が山椒大夫と三郎に下す報復方法も同じだった。

 

ただ、死んだはずのアンジュが令和の新宿に現れたのはなぜだったのだろう。

私はこういうの、舞台のカーテンコールみたいで好きだけど(笑)。

思うに、アンジュの無念の魂が何百年何千年と時を超えて彷徨い、頭獅王の前に現れたのか。

それとも、山椒大夫が何百年何千年と同じような悪行を繰り返し、「アンジュ」というのは山椒大夫に虐げられる女の子の抽象的概念と化したのか。

山椒大夫が、アンジュを殺したあとに買った女児を新宿の遊郭に売ったことを白状していたので、新宿で頭獅王の前に現れたアンジュは、その女の子のような気もする。

アンジュの生まれ変わりということ?生まれ変わっても山椒大夫に虐げられるなんてかわいそうで考えたくないけど。

よくわからないけど、ファンタジーだからまあいっか。

 

 

安寿と厨子王(あるいは山椒大夫)って、もともと人身売買、子どもの強制労働と虐待、「目には目を」の報復の物語だけど、昔の作り話だと分かっていても、理不尽すぎる運命に悲しくなる。

だって頭獅王は、父が失脚させられ、人身売買により母と引き離され、姉は虐待の末に殺された少年なんですよ。

その物語のラストが「お母さんに会えた!」だけじゃ弱いような、そんな気になるよね。

AppleGoogleの株をたくさん持っているお金持ちの養子になれたとしても、その前の壮絶な出来事を考えると、「めでたし」とまではいかない、プラスマイナス0でもなく、マイナスのままではないかしら。

 

この物語にも、長い年月語り継がれるだけの良いところや教訓があるのかな。

もともとが、女性や子どもの権利なんてない時代のお話だから、これが「健気な姉弟愛、母性愛のものがたり」として語り継がれたのだろうか。

 

いつか息子に、童話安寿と厨子王を読んであげたいと思う。

どんな感想を抱くだろうか?

 

安寿と厨子王 (京の絵本)

安寿と厨子王 (京の絵本)

  • 作者:森 忠明
  • 「京の絵本」刊行委員会
Amazon

 

 

 

【読書】抱擁、あるいはライスには塩を

 

 タイトル:抱擁、あるいはライスには塩を

作者:江國香織

集英社

 

私が中学生の時、夏休みになると、「ナツイチ」「夏の100冊」とかの小冊子が生徒に配られていた。

当時はネットも今ほど普及していなくて、その小冊子をめくりながら、夏休みのうちになにか一冊読んでみようとワクワクしたものだ。

当時、江國香織さんの「きらきらひかる」は毎年必ずその冊子に載っていた。

それが、私にとって、江國香織さんのファーストインプレッション。

それから夏になるたびに、なぜか江國香織さんの本を読みたくなるんだ。

 

この本は、以前読んだ本で紹介されていて、気になったので手にとった。

江國香織の最高傑作」と煽られていたっけ。

タイトルから美しい。

タイトルだけで優しい気持ちになれる。

 

この本には、「柳島家」という家族、家が登場する。

貿易会社を起こして成功した祖父、ロシア人(今は「絹」という名前)の祖母。

祖父の会社で働く父、その妻である母菊乃。

母の妹である百合叔母、母の弟である桐之輔叔父。

そして4人の子ども(望、光一、陸子、卯月)。

 

これは、3世代にわたる家族の物語であると共に、家(建物としての家)の物語でもある。

子ども4人が育つ過程の家は、エネルギーに満ちている。

犬を飼っていたり、広い庭で遊んだり、いつもにぎやかでたのしい声が聞こえている。

しかし、子どもたちは大人になって独立し、長男が結婚しても当然同居するなんていう時代ではなくなり、家族は減り、老人は死んでいく。

時代の流れと、家族の成長・老化に伴って、「家」もまた、老いていく。

でも、家にも記憶があって、楽しかったときのことをふっと思い出したりするのだろう。

大人なってからわかったことだけど、人間の中にも「家の記憶」がある。

私は今でも、子どもの時に住んでいた家(今はもうない)の夢を見たりする。

そう思うと、私が今住んでいる家は、子を産み育てるという幸せな時代を知っている家なんだな…。

 

タイトルの「ライスには塩を」というのは、

菊乃・百合・桐之輔の合言葉。

「自由万歳!」みたいな意味らしい。

大人になってライスに塩を振って良くなったことが、自由の象徴らしい。

もう一つの合言葉「かわいそうなアレクセイコフ」「みじめなニジンスキー」は、子どもたちも使うんだけど、「ライスには塩を」は、この3人しか使わないんだよね。

だから、桐が死に(桐の死は、本当に悲しかった)、菊乃、百合も死んだら、誰も言う人がいなくなってしまうんだな。

合言葉を考えた人がいなくなったらその合言葉は使われなくなる、それって至極当然のことなんだけど、それでも、なんとなく喪失感。

 

この本では、日本の社会における「普通」からそれたことがたくさん起きるけど、

普通じゃないからかわいそうだとか、不幸だとかはまったくない、悲壮感がない。

私は、運命を呪ったりする話があまり好きじゃないので(ミステリなら良いけど)、登場人物たちが皆、さいごまでたくましく生きている姿には清々しい気持ちになった。

 

くどくど説明されてはないのに、息をするように、自然と情景を思い描けた。

ちょっと厚めの本(文庫では上下巻)でしたが、幸せな読書体験でした。

 

 

 

 

 

【こども読書】かいけいつゾロリのゾワゾワゾクゾクようかいまつり

 

f:id:qnatsu:20210814145332j:plain

タイトル:かいけつゾロリのゾワゾワゾクゾクようかいまつり

作者:原ゆたか

ポプラ社

 

うちの息子はかいけつゾロリが大好きです。

「ようかいまつり」は、2021年7月に発売されたゾロリシリーズの最新刊。

表紙から分かる通り、ハロウィーンのお話です。

毎度おなじみ、ようかいがっこうの先生が、ハロウィーンでは日本の妖怪が必要とされていない!と考え、ハロウィーン改革を行おうとして・・・?

 

ゾロリシリーズは、母である私も、こどもの時に大好きで読んでいたシリーズです。

私は、当時「ほうれんそうマン」の悪役としてゾロリを認識していたんですが、いつの間にかゾロリが主役に降臨(笑)。

ほうれんそうマンでは、ゾロリはかなりのワルだったと記憶しているのですが、今ではすっかり優しい(いたずらはするけど)キャラクターでマイルドになっています。

ゾロリよりもずっと悪いキャラクターがたくさん出てくるから、そうならざるを得ないのかしら。

 

ようかいがっこうの先生は、ようかいの子ども達を指導している先生です。

この先生、ゾロリをとても頼りにしていて、自信を失ったようかい達を元気づけるために、いつもゾロリに手助けしてもらっているのです。

今回ようかいがっこうの先生が考えたのは、ハロウィーン改革。

日本の妖怪(からかさおばけとか、ろくろ首とか)がハロウィーンに必要とされていない!日本の妖怪も好きになってほしい!ということで、かぼちゃをナスにしたり、新しいハロウィーンの形を模索しています。

この本を読んでいた息子が「ようかいがっこうの先生、引退しちゃった!」と言ったので、「えー!私がこどもの時から登場してるキャラが引退だなんて・・・!」とショックを受けましたが、最後まで読んでほっと安心しました。

もし本当に「引退」したとしても、また登場しそうですけどね(笑)。

 

ハロウィーンと言えば「おかし」。

「おかし」と言えばおなじみの、ブルルとコブルも登場します。

息子は、ゾロリシリーズの中でも、この二人組が登場するお話が好きなんだそうです。

ブルルは資金力がある分、やることがダイナミックだから、ですかね。

 

ナスのジャック・オ・ランタン、けっこう可愛かったな。